当社は、この度、現在の長岡事業所(新潟県 長岡市)の隣地に存する、土地及び建物を購入すると共に、取得敷地内に新工場を建設し、当社製品の生産能力を拡張することとしましたので、お知らせいたします。
近年、露光装置を取り巻く環境は、高速通信規格「5G」の普及拡大・データセンターの拡充などにより、プリント基板や、パッケージ基板等の半導体後工程を含めた多岐にわたる回路形成技術の進化に即応した露光装置の世界的な需要増加、及び露光装置の大型化への対応のために、当社生産能力の増強を図ることが課題となっていました。
さらに、各業界での製造工程における省人化・生産性の向上に向けた、当社FA(Factory Automation)装置の需要も大きく高まり、事業拡大に向けた生産スペースの拡大も、必要となっていました。
新たに取得した既存建屋の追加スペースを確保することで、当社主力事業である全自動DI露光装置(DI:Direct Imaging )の生産能力は、現在のおよそ1.4倍に拡大いたします。
また、当該取得土地の遊休地に、新工場を建設します。新工場では、当社が創業以来培ってきた、特殊精密加工技術を活用し、次世代半導体製造プロセス向けにウシオグループが注力しているEUV事業(※1)の主要基幹部品の生産体制を構築するものです。
なお、隣地の売買契約は、今年9月28日に調印済みです。
~記~
1.取得物件(土地・建屋)概要
(1)住所: 新潟県長岡市三島新保392番1
(2)敷地面積: 14,970㎡
(3)既存建屋床面積: 4,410㎡
(4)生産予定品種: 全自動DI露光装置・各種FA装置
2.新工場概要(記敷地内に建設予定)
(1)新規建屋床面積: 2,000㎡
(2)竣工: 2022年春頃
(3)生産予定品種: マスク検査用EUV光源 主要基幹部品等
本件に関する問い合わせ先
株式会社アドテックエンジニアリング 管理部
TEL. 0258-42-3111(代) FAX.0258-42-3114
ホームページからはお問い合わせページよりお送りください
(※1)ウシオグループのEUV事業
高度に微細化された次世代半導体の量産技術として13.5nmの極端紫外光(EUV)を用いたEUVフォトリソグラフィの実用化が待たれているが、その実現のためには高精細マスクの欠陥を検査・抽出する検査技術の確立が必須とされている。ウシオ電機ではそのマスクを検査する「マスク検査用EUV光源」を開発しており、ADTではその主要基幹部品の製造を担う。
マスク検査装置用EUV光源(ウシオ電機HPより)
EUVは物質を透過しにくいため、光学系には、レンズではなく反射ミラーが利用されている。
反射光学系のマスクブランクスはMo/Siの繰り返し積層構造となっており、欠陥が入ると
パターンが歪んでしまうため、欠陥の有無確認が次世代半導体の量産プロセスには必須となる。
本件に関連するお知らせについては、ウシオ電機のWebサイトもご覧ください。
■ご参考
「ウシオグループのEUV事業への取り組み」過去リリース一覧
2019.09.10
ウシオ電機、次世代半導体向けEUV光源事業をブランド化
―「TinPhoenix」としてグローバル展開、事業の本格化へ―
2019.7.17
ウシオ電機、EUVリソグラフィマスク検査用EUV光源を量産プロセス向けとして初検収
―先行稼働の研究開発機が高評価、EUV事業を加速―
2017.6.12
ウシオの高輝度EUV光源搭載機による各種研究・評価サービス受付を開始
―オランダ研究機関にて、光学部品やマスク・ぺリクル・センサーなどが対象―
2017.01.17
オランダ研究機関にて高輝度EUV光源のファーストライトに成功
―EUV光学系やマスク、ペリクルなどの研究開発向け―
2016.02.15
オランダ研究機関に高輝度EUV光源を初出荷
―次世代露光プロセス向けマスク検査装置用光源市場に新規参入―
以上